あおきDIARY

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銀座店

江戸小紋の粋

お稽古や行事にはもちろん、
カジュアルに着てよし、
またちょっとしたお出かけにも、
と言えばやっぱり江戸小紋ですね。
秋冬への更衣を迎えるこの時期、着回しの良い一枚をお探しの方も多いのではないでしょうか。

武家社会と共に発展し、現代でもこよなく愛される江戸小紋、その背景を知るとますます興味が湧いてきます。
江戸小紋の基本情報はこちらのあおきのコラムでご確認いただけますので、是非ご一読くださいませ。
「今日は着物で。vol.1 江戸小紋を着る日」


初秋のお出かけに

着回しの良さでは群を抜く江戸小紋ですが、何と言ってもその魅力は精緻な柄と多様な文様にあります。
三役、五役をはじめとする大名定め柄は凛々しく、端正さが際立ちますが、町人・商人の文化が爛熟する江戸中期になると、より自由で洒落た柄が登場します。動物や植物、生活道具や玩具、文字や歌舞伎由来のモチーフ、はたまた厄除けや縁起担ぎの物品など。
これらは「いわれ柄」と称され、江戸庶民の遊び心を反映した洒脱で粋な装いを盛り立てました。

このように柄や文様の楽しい江戸小紋ですが、その製作過程は驚くべき緻密さと労力を要します。

長板に約13メートルの白生地を張り、約30センチの型紙を送りながら防染糊を置いて行きます。
次に染料の入った色糊を塗って地色を染めますが、型紙をずらして行く際、そのつなぎ目をいかにムラなく繋げていくかが重要で、まさに染め師の腕の見せ所となります。そして、魅力の原点である精緻な型紙は、和紙を柿渋で貼り合わせた型地紙に彫り師が彫刻刀で彫り抜いて行きます。
この気が遠くなるような細かい作業はまさに熟練の技と精神力の賜物。江戸小紋は、こうした彫り師と染め師の技の集大成でもあるのです。

こちらは伊勢型紙彫刻師の人間国宝、中村勇二郎さんの型紙を用いた小紋で、平等院の梵鐘の装飾をうつしたもの。 唐草文に囲まれた飛天、獅子などが浮かび上がって見える精緻な彫りで、深緑と茶の渋い色調も見事です。 まさに熟練の技が凝縮された逸品と言えましょう。

銀座【FR082-C-1959】中村勇二郎 伊勢型小紋 梅幸茶色「国宝平等院 幸せの鐘がなる」

掘り下げればさらに深い江戸小紋の世界。
皆さまも是非お気に入りの一枚を見つけてくださいませ。

この秋も銀座で皆さまのお越しを心よりお待ち申し上げております。

銀座店スタッフ  松浦

きもの青木銀座本店 定休日変更のお知らせ きもの青木銀座本店は、2020年10月1日より、新型コロナウィルスが落ち着くまでのしばらくの間、下記のとおり定休日を変更させていただくことになりました。
2020年9月30日まで
定休日:毎週月曜日

2020年10月1日より
定休日:毎週月曜・火曜
きもの青木銀座本店の営業時間は
営業時間:11:00~19:00
日曜のみ:11:00〜17:00
定休日:月曜・火曜  
となります。
当面は、何かとご不便をおかけするとは存じますが何卒ご理解のほどお願い申し上げます。

銀座店では販売スタッフ欠員に伴い、新しく一緒に働いてくださる人員を募集しております。詳細はコチラの求人ページをご覧ください。