銀座店
縁起物&吉祥文様を年末年始の装いに
立冬を過ぎ、街は年末に向かって慌ただしさを増す今日この頃。皆さまいかがお過ごしでしょうか。 今年は自粛、お籠りと不安な日々が続いておりますが、それでも工夫して生活を楽しもうとする方々の姿を見ると心が温かくなります。
そしてこんな時、日本人として頼りたいのが縁起物です。
商売繁盛、家内安全、無病息災、はたまた安寧長寿、子孫繁栄。
悪いものを避け、良い事があるようにと、古来から私たちはいろいろなものに願をかけ、祈り、祝い事をし、営みを繰り返して来ました。その節目節目で身近にある食物、植物、動物などを用い、運気の上がる物品を作って贈ったり飾ったりします。それが縁起物です。
年末から年始にかけては大晦日の年越し蕎麦、お正月のお飾りにおせち料理ほか、初詣のおみくじ、絵馬、破魔矢など、お馴染みのアイテムが登場しますね。破魔矢といえば厄除けですが、今年はアマビエが大活躍でした。お菓子や玩具などに姿形を変え、疫病の暗雲を吹き飛ばすべく奮闘されていますね。有り難いことです。
*招き猫:招いている手が右なら雄猫で金運、左手なら雌猫で人を呼び込む(千客万来)の意。
*でんでん太鼓の犬張り子:多産で安産な犬にあやかった古来からの出産祝い・成長祈願の定番アイテム。でんでん太鼓の表面には裏表がない事から、裏表のない子に、という願いが込められている。
*まめぐいさんの縁起物クッキー2021:東京駅地下の「まめぐい」さんで買えます。
こうした縁起物を図柄にしたのが吉祥文様です。 長寿の鶴亀や松竹梅、成長の竹や麻、富貴の七宝、発展の扇、健康の瓢箪などなど、着物の世界でもお馴染みですね。 年末年始をハレの気分で迎えるには、こうした文様を装いのポイントにしてはいかがでしょうか。
(左)宝尽くし:中国の「八宝」思想が日本に伝来、独自のデザインに発展。打ち出の小槌、丁字、隠れ蓑、分銅、巾着、宝巻、宝珠などが描かれている。
(中央)鱗:連続する三角形の模様を蛇や魚の鱗に見立てている。三角の文様は邪悪を払うという竜蛇信仰から。
(右)青海波:波の形を並べた文様。バリエーションに富む。無限に広がる波に、未来永劫と平和な暮らしへの願いが込められている。
(左)雪持ち南天:南天は「難を転ずる」にかけて、古来から厄除け、幸運を招く木として人気。お正月飾りや料理にも添えられる。雪持ちでぐっと季節感を演出。
(中央)鴛鴦:オシドリは仲がよく、常につがいでいる事から夫婦和合の象徴に。
(右)葡萄唐草:ペルシャなど西方より伝来。たくさんの種子を持つ事から豊穣の象徴とされる。実と唐草が組み合わせで描かれている場合は古典文様として通年着用できる。
銀座店では年末年始にふさわしいお着物、帯などを多数ご用意しております。
この冬も皆さまのお越しを心よりお待ち申し上げております。
銀座店スタッフ 松浦