あおきDIARY

きもの青木からお伝えしたいこと、
新しく届いた着物や帯のお知らせ、
ときどき急ぎのご連絡

銀座店

美しい和色に囲まれて

自宅隣の公園では蝉の鳴き声がピークを迎えておりますが、皆さまはいかがお過ごしですか?
入社して初めての夏 の私は、ご来店されるお客様の涼しげな着こなしに、思わずウットリと、毎度見惚れています。

さて皆さま、突然ですが、この色名、読めますか?色の想像つきますでしょうか?

「天鵞絨色」

・・・答えは、「びろうどいろ」

こちらは帯揚げ、帯締め(G-1856G-1870)等の商品説明にも使われていますが、恥ずかしながら、私は入社するまで出会ったことのない漢字であり、和色への第一歩の色でもありました。

私の大事な仕事の一つに、皆さまからオンラインショップでご注文いただきました着物や帯を店頭から探し出す、という務めがございます。ご注文いただいたお品には、それぞれを説明する和の色名がついており、慣れている先輩スタッフ達は「鳥の子色の…」やら「縹色ね」と、商品番号がなくても、すんなり着物も小物も確保してきます。
が、不慣れな私は、まず!この優雅で素敵な色名が読めない・・・

(しろ・みどり)「白緑」と書いて、「びゃくろく」と読むのね・・・
「夏虫色」ってなんて素敵な名前がついているの!・・・と、皆さまも目にしているかもしれません色見本「和名大辞典」を頼りに、先ずは読み方、色あいの勉強です。

次に由来を調べてみると、どの色も奥深いですし、微妙な色の違いにそれぞれ名前がついていることに感動します。

例えば「瓶覗(かめのぞき)」

手元にあります書籍、「日本の伝統色を愉しむ」(東邦出版株式会社発行)によりますと、「濃淡によってさまざまな名前をもつ藍染めのなかでも、もっとも薄い色。藍瓶のなかを一度だけ覗いてきた程度の色」と、書いてあります。
(瓶覗色の帯揚げ:R-80R-218G-1265)

瓶覗色の染め帯:K-6812

そして、色の中には慌ただしい暮らしの中で忘れていた植物との再会もありました。

「木賊色(とくさいろ)」

すっかり忘れておりましたが、小さな頃、節の部分を分解して遊んだ記憶が蘇りました。

木賊は色名だけではなく、着物の中、帯の中にも見ることができます。

(写真左:帯3940、写真右上:B-2931、右下(木賊色):G-1805)

お店の中にあるたくさんの色の一つずつが、季節の移り変わりを空、植物から感じとり、自然、生活に密着していることに畏敬の念すら感じます。 なるほど~と唸りながら勉強していると・・・今度は、江戸鼠、銀鼠、葡萄鼠、藍鼠、、、と「鼠」の文字のラッシュです!! 早速先輩スタッフに尋ねると、どうやら「四十八茶百鼠」というのがあるらしく…

と、まだまだ和色は奥が深く、どうやら今の私は入り口に立ったばかり。これから先が、、、楽しみです!

皆さまも、改めてこの美しい響きを趣を持つ、たくさんの和色を眺めてみませんか? そして、お着物、帯だけではなく、帯揚げ、帯締めの微妙な色の違いから生まれる色のマジックを体験してみませんか?

私が奥で仕事をしていると、「えー、この色入れると全然雰囲気違うのね」「自分では選ばないけれど、びっくり!」と嬉しそうなお客様のお声と笑い声に、ついつい「どんな色あわせかしら?」と気になりながら、こちらも笑顔にさせていただいております。

銀座店では、自分では気づかない色合わせや新しい発見のお手伝いをさせていただけたらと、豊富な経験を持つスタッフがお待ちしております。また、合わせてみたいお着物や帯をお持ちいただいてのコーディネートのご相談も承っております。
是非お近くにお越しの際は、お立ち寄りくださいませ。

銀座店スタッフ 田山

※ブログ内でご紹介させていただきました商品は一点ものが多いため、すでに販売済の場合もございますのでその旨ご了承くださいませ。