銀座店
献上柄に込められた願いや想い
花便りも一段とにぎやかになり、春の日ざしが嬉しい季節となりましたね。皆さま、いかがお過ごしでしょうか?
銀座では唯一の桜並木と言われる"銀座桜通り"にも、淡いピンクのソメイヨシノが立ち並び
気分を盛り上げてくれています。
銀座桜通り
気分と言えば…これからのシーズンにむけて、欲しいものが後を絶たないのは私だけでしょうか?
裾捌きの良い大島紬、シャリ感が心地良い本塩沢、透け感のある羽織やコート、
単衣にカゴバッグ、夏素材の帯揚げ、シャーベットカラーの小物類などなど…
続々と入荷する心くすぐるアイテムを前に、まずは冷静にと自分に言い聞かせて 我が家に迎える順番を毎日のように考えています。
そこで、気づいてしまったのですが… 今、手に入れておくと重宝するのは、ずばり博多織の八寸名古屋帯ではないでしょうか?!
基本的には、袷・単衣・夏衣を問わず通年使いできると言われるお役立ちアイテムなのです。(紗や羅のものは夏用ですので、お着物と合わせてお選びくださいね。)
今回はその”博多織“についてお話させてください。
私にとって初めて手にした博多織は、成人式で使用した伊達締めになります。まだ着物の世界に興味がなかったものの、なぜか「これは欲しい」と思ったのが
博多織の伊達締めでした。笑
何も知識のない私には、センスのよい色遣いにモダンな柄でこれはオシャレ!と感じたのです。あれから随分と月日は流れましたが、今でもオシャレで素敵だと思う感覚は変わりません。もっと言えば、当時モダンな柄と思った献上柄には意味や願いが込められていて、
知れば知るほど好きになってしまう存在となりました。
ご存知の方も多いとは思いますが、江戸時代、筑前福岡藩の初代藩主によって博多織の反物や帯が江戸幕府へ献上されたことからその名がついたとされています。
お馴染みの柄は仏具として使用する『独鈷(とっこ)』と『華皿(はなざら)』をモチーフ にしたもので、魔除けや厄除けの願いが込められています。
二種類の縞柄は、『中子持縞(なかこもちじま)』と両子持縞(りょうこもちじま)』です。 これらの縞柄の線の太さには意味があり、太い線が親、細い線が子供を表しています。
中子持縞は別名『親子縞』と呼ばれ、親が子を包み込み守っている様子を表しており、
両子持縞は別名『孝行縞』と呼ばれ、親から子へ広がっていく様子を表しています。
家内安全と子孫繁栄の願いが込められているとのこと、なんて素敵なのでしょう。
そして同じ献上柄でも表情はさまざま…
白大島とは相性抜群ですね♪お互いを引き立ててくれます。
美しい藍染の小紋に合わせると、ぐっと涼やかな印象にしてくれますね。
博多の街では、ホテルやタクシー、自動販売機にまで博多織が使われているそうです。さらには、九州新幹線開通を記念して、JR博多駅筑紫口には博多織のタイル画が設置されたり、新幹線の車内には博多織の額装が飾られているそうです。
博多織が溶け込む風景、気になりますね。コロナが落ち着いたら、是非ゆっくりと訪れてみたいものです。
そんな博多織を手にとって見てみたい方に朗報です!
きもの青木では、来週4月8日(金曜)から『博多フェア』が開催されます。
今回は献上柄をご紹介いたしましたが、一味違うモダンな博多織の帯も登場予定です。
さらには銀座店にお越しいただいた方のみご覧いただける、店頭限定アイテムもご用意しております。
博多フェアの詳細は、また後日ブログにてご案内させていただきますのでお楽しみにしてくださいね。
当店は、冒頭でご紹介した"銀座桜通り"の目と鼻の先です。
そろそろ花吹雪となりそうですので、こちらもお楽しみに是非ご来店くださいませ。
銀座店では引き続き、感染対策を徹底して皆様をお待ちしております。
銀座店スタッフ 安藤