
銀座店
秋冬におすすめの紬
11月も終盤に入りましたが、日中では20度を上回る日もあったりガクンと例年並みに冷え込む日もあったりと、気温の乱高下には随分と惑わされてしまいますね。
暑さがいつまでも残った今年は、なかなか単衣から抜け出せない方も多かったのではないでしょうか。
単衣から袷に衣替えしますと、袷に仕立てられた絹の重みを実感しますが、今回は袷でも軽くて着やすい紬をご紹介したいと思います。
まだ本格的な寒さが訪れる前のこの時期にお勧めしたいのが 『大島紬』
袷でも薄くてとても軽く、裾捌きも抜群です。紬という名前ですが現在の大島は経糸、緯糸とも生糸を使用して織られており、高度な絣の技術を生かした細かい柄や泥染や藍染による深いお色目が特徴です。代表的な泥大島や藍大島に加え、白大島や色大島など様々な種類が作られています。
古典的な大島紬だけでなく、訪問着仕立ての大島紬もいろいろなタイプが作られており、洒落袋帯と合わせて軽いパーティなど少し華やかなお席に着用なさる方も増えていますね。
同じく上質な紬として名高い『黄八丈』。
こちらも現在生産されているものは一部を除き、経糸緯糸ともに生糸を使用しています。八丈島の植物で大変な手間をかけて染められた独特の色はコブナクサから得た鮮やかな黄金色、マダミの樹皮による明るい鳶色、そして椎の樹皮と泥染から生まれる深い黒が基本。この個性ある色の美しさが黄八丈の一番の特徴ですね。それぞれメインとなるお色によって黄八丈、鳶八丈、黒八丈と呼ばれる品々、高度な手織りの技術による複雑な綾織りの表情も素晴らしいものです。ぜひお店でその艶やかな色をご覧ください。
菊池洋守作 八丈織 着物(着物3766)
そして『牛首紬』。
こちらも紬の名を持っていますが、特別な糸から生まれる美しい表情が多くの方から愛されています。
牛首紬地 着物(B-3365)
牛首紬は玉繭から直接手で引き出した稀少な玉糸を緯糸に用いて、手機で丹念に織り上げられたもの。紬というと先染の糸を用いた絣柄を連想する方が多いと思いますが、こちらは基本的には白生地として織り上げられ、訪問着や小紋、袋帯の染め下地として使われます。空気を含んだ弾力のあるしっかりとした地風は、釘に引っ掛けても破れないとされ、釘抜紬との別名も持っています。穏やかな光沢感のある牛首紬はお店でもとても人気があります。
牛首紬地 洒落袋帯(L-7030)
そして極めつけは『結城紬』でしょうか。
国の重要無形文化財にも指定されている本場結城紬は、真綿から手で引き出して紡いだ撚りのない手紡ぎ糸を使います。反物の幅に並ぶ亀甲の数が絣の単位として使われており、絣締め、染め、織りに関わる方々の見事な技術で、小さな亀甲や蚊絣を組み合わせた細かな意匠が表現されています。人の手だけで引き出された柔らかな無撚の糸で織り上げる本場結城紬は、着心地も別格です。合わせる帯によっていろいろな場所でお楽しみいただける無地のお品もとても好評で、お客様からのリクエストも多いアイテムです。
「銀座きもの青木」では、各地の選りすぐった様々な紬をご覧いただけます。
過去のコラムでは「紬」の特集記事がございますので、こちらもご参照くださいませ。
『名前を持った紬 — 丹精をこらした逸品 vol.08』
この秋冬の素敵な一枚を見つけてくださいね。
フォーマルや小紋などの所謂やわらかものも「銀座きもの青木」ならではの品揃えでご用意いたしております。
皆さまのご来店を楽しみにお待ちしています。
銀座店 阿部
『きもの青木銀座店』
TEL03-3564-7171
営業時間 11:00~18:00
定休日:月・火曜日
ご来店の際には是非ご予約をおすすめいたします。ホームページから、またはお電話でも承っております。