あおきDIARY

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銀座店

夏も着物で。天然素材で涼やかに

東京では早くも猛暑日を観測し、湿度の高い蒸し暑い日が続いておりますが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。

photo by Akiko Fukuda

日本気象協会の発表によると、最高気温が25℃以上を「夏日」、30℃以上を「真夏日」、35℃以上を「猛暑日」、そして40℃以上を「酷暑日」と呼ぶそうです。

その次はいったい何日となるのでしょうか?想像したくはありませんが、気温の上昇とともに日々の生活も知恵と工夫でアップデートしていく必要がありそうですね。

そんな厳しい気候をものともせず、夏着物にチャレンジなさる方がいらっしゃるのはうれしい限り。銀座店でも、かなり早い時期からたくさんのお客様が夏着物をお探しでした。

今年夏着物デビューされる方からは

「夏は着物を着ないと決めていたのに…」 「もう逃げられない。」 「ついに覚悟を決めました!」

などなど、愉快な台詞が聞こえてきます。

「夏はお洋服でもよろしいわよ。」とおっしゃってたお茶の先生から、「お着物姿も見てみたい。」とリクエストがあったとのこと。それはそれはということで、お似合いになるコーディネートをお客様と一緒に完成させて、最後は「頑張ってくださいね。」という激励の言葉でお見送りさせていただきました。

確かに、夏の装いはいつもと少し勝手が違いますよね。特に初めての方ですと、この猛暑のなか色々と不安や疑問に感じることも多いかと思います。

そこで今回はお客様からいただいたご質問やご相談を、ちょっとしたアドバイスを踏まえてご紹介させていただきます。

*暑さ対策には天然素材

一番多かったご質問は、やはり暑さ対策に関してです。銀座店のスタッフに聞いてみたところ、各々さまざまな工夫で暑さを凌いでいるようですが、共通していたのは「色々と試してみた結果、いまの着こなしにたどり着いた」ということでした。

私はまだまだ試行錯誤中ですが、今年初めて《へちまの帯枕》を試してみました。

へちま帯板(G-1350)、へちま帯枕(G-2992

使用した率直の感想は軽い、涼しい、硬い、です。以前よりへちま素材の良さは聞いていたので、評判通り軽くて涼しいのは良かったのですが、使い始めで慣れていないせいでしょうか、へちま独特の硬さがいまいち背中にフィットしなかったのです。そこでひと工夫ですね、伸縮性のある帯枕カバーを使ってみたところ、これが大正解でした!

一年中へちま素材を愛用してる方が多いと知り、ひとまず同シリーズの帯板も購入してみました。汗ばむこの時期は特に水を通して洗えるのは嬉しいですよね。

洗えると言えば…涼しさを追求したい方には、何と言っても麻素材がオススメです。

《麻の足袋》は熱がこもらず、さらりとした質感と締めつけ感のない履き心地が別物です。

本麻足袋は店頭限定商品 きねや麻足袋(T-251

その分、普段ストレッチ足袋や綿足袋に慣れている方は少し違和感を感じるかもしれません。 特にきねやさんの麻足袋は、公式ホームページによると1サイズ小さめをオススメしているのですが、甲高や幅広の方は通常のサイズで大丈夫とのことです。

履き心地やサイズ選びなど、初めは少し苦労するかもしれませんが、夏は麻しか履かないという方がいるくらいですので試してみる価値はあります。

《麻の半衿》もお忘れなく。衿元は直接肌に触れる部分ですので、ひんやりとした肌触りはもちろんのこと、優れた吸汗性と速乾性はありがたいですね。

麻の半衿 白色(G-2559) その他の色は店頭限定商品

半衿に関しまして、『絽の長襦袢に麻の半衿はダメなの?』とご質問をいただくのですが、これはご用途によって答えが変わってきます。

やはり改まったお席やフォーマルなシーンでは襦袢は絽、半衿も絽塩瀬がふさわしいですよね。ただ、普段のお出かけやカジュアルな着物の場合は、絽の長襦袢に麻の半衿でもよろしいかと思います。色々と試してみることで、自分なりの好みやこだわりがわかり、何をオシャレに感じるかで着こなしは変わってくると思うのです。基本をきちんと抑えたうえで、ぜひ衿元に遊び心を取り入れてみてください。

そして《麻の襦袢》

当店でも超がつくほどの人気アイテムで、リユースで入荷した麻襦袢は即売れてしまうといった状況です。

店頭限定の長襦袢が入荷いたしました

特に夏の着物は透け感がありますので、中に着る襦袢は着丈の長さが重要です。身長の高いお客様から『長襦袢は既成品だとなかなか自分のサイズに合うものを見つけられない。皆さんどうされてるのでしょう?』といったご質問をいただいたのですが、一番はやはりマイサイズの長襦袢をお仕立てすることだと思います。

ただいきなりお誂えするのはハードルが高いですよね。その場合、許容範囲のサイズ感で自分に合うリユースの長襦袢を探すか、もう一つは自分のサイズに調節して着ることが出来る二部式の襦袢がオススメです。麻の着心地を知るためにも、まずは二部式襦袢から始めてみてはいかがでしょうか。

こちらは雑誌『美しいキモノ』さんとメーカーさんとのコラボ商品です。こだわりの詰まった二部式襦袢で小千谷縮の半衿付きなところも嬉しいですね。

麻素材 半襦袢(T-52) 裾除け(T-64

*夏の小物使い

そして意外と多かったのは『帯締めは夏用のものじゃないとダメなの?』というご質問です。 結論から申し上げると、袷用の帯締めは基本的には通年使えますので、夏用のものでなくても大丈夫です。

ただ、今の時期は夏用の帯締めといってレース編みのものや、透け感のあるものが登場します。 やはり見た目にも軽やかで涼し気なところが魅力ですし、夏という限られた時期の装いを存分に楽しみたいという方には夏用の帯締めをオススメいたします。お手頃なのにちょっとした贅沢品のようなアイテムですので、気分も上がりますよね。

現在発売中の『美しいキモノ 2024夏号』37ページに掲載されている衿秀さんの帯締めは、同種のお品で色違いもございます。

左から(G-3068)(G-3069)(G-3067)(P5-666 店頭限定商品)

次に三分紐の結び方もよく聞かれます。色んな結び方があるので、自分にあったものを見つけていただければと思うのですが、一番簡単な締め方をご紹介しますね。

まず、三分紐に帯留めを通して、帯留めを背中側に持っていきます。

前側でいつも帯締めを結ぶように、しっかりと締めます。

その上から蝶々結びをして結び目をぐるっと背中側に回します。
帯留めを前にもってきたら完成です。

そして三部紐には素敵な帯留めを合わせたいですよね。お待たせいたしました♪ 岡山県在住のガラスジュエリー作家・岡小百合さんの帯留めがこの夏も入荷いたしました。

店頭限定の三分紐もご用意しております。

以前、岡山県からご来店してくださったお客様が「えっ、岡さん帯留めも作ってるの?」と驚かれたのですが、そうなのです!きもの青木 のために別注でお作りいただいてますので、他ではお目にかかれない貴重な一品となっております。付属の箱までも可愛い岡さんの帯留め、プレゼントにもオススメです。

*衣紋抜きのポイント

最後に小物の使い方のアドバイスとなりますが、 当店では『衣紋がうまく抜けない・・・』とおっしゃる方に《小衿芯》をオススメしています。 ただ使い方が合ってるのか不安という声もいただきますので、この機会に写真で説明させていただきますね。

小衿芯を通した肌襦袢をお好みの抜き加減で着付けします。写真の点線ラインに向かって長襦袢の衿を下側から沿わせます。

ちょうど小衿芯がストッパーの役割をしてくれますので、そこでポジショニングを固定すれば抜きが崩れることもありません。着物も同様にこのラインに沿わせます。

小衿芯は着物だけでなく浴衣をお召しになる場合にもオススメです。赤衿がちらっと見える肌襦袢もございますので、浴衣や帯の色に合わせてお選びください。

左から(G-1220)(T-51)(T-S51)小衿芯(T-105

いかがでしたでしょうか? 夏衣の着こなしは少し工夫が必要かもしれませんが、この季節ならではの特別感を是非お楽しみくださいませ。個人的には今年の夏は麻のマイ長襦袢が出来上がってきましたので、まずは実際に体感してみたいと思います。

今年の夏も真夏日を通り越して猛暑日が続きそうですが、日本ならではの四季を味わいながら体調管理に気をつけて、元気に過ごしたいですね。

銀座店 安藤

毎年楽しみにしているホオズキ、今年は暑さのせいか大きく育っています

『きもの青木銀座店』

TEL03-3564-7171
営業時間 11:00~18:00
定休日:月・火曜日

店内混み合う状況もございますので、ご来店予約を頂くと比較的スムーズにご案内できます。ぜひ、ご来店予約フォームをご利用くださいませ。

※ご予約なしでもご相談を承っておりますが、ご予約のお客様を優先して対応させていただきますので長時間お待たせしてしまう場合もございます。コーディネートのご相談やお着物や帯をご持参いただく場合は、ご予約をおすすめしております。

皆様のご来店を、スタッフ一同心よりお待ちしております。

※ブログ内でご紹介させていただきました商品は一点ものが多いため、すでに販売済の場合もございますのでその旨ご了承くださいませ。