銀座店
御所解と七五三のちょっぴり苦い思い出
今年は早くから夏が始まり、もう夏が終わらないのでは、と蒸し暑さと格闘していたのが嘘のよう…過ごしやすい日々が増えてまいりましたが、みなさまはいかがお過ごしでしょうか。

先日、夏の疲れを癒すべく、娘と「栗と北斎」で有名な長野の小布施に行ってまいりました。秋の空気とのんびりした景色、そして今が旬の「栗おこわ」に「焼き栗」「モンブラン」…と、気持ちもお腹も満たしてまいりました。

さて、銀座きもの青木の店内の棚もすっかり衣替えが終わり、袷の着物に袷用の帯、コートや小物たちがこれからの季節の活躍を待っております。そしてご予約いただくお客様のご希望内容にも「七五三」や「成人式」の文字が、増えてまいりました。
若いお母さまから度々質問をいただきますのが、そのようなお祝いの場面に相応しいお着物について。個人的な感情が入ってしまうのですが、まず私がお勧めしたいアイテムが、今回ご紹介します「御所解文様」の訪問着です。

というのも、長女七歳、次女三歳の秋のこと。かつて私自身の七五三の折に母が着ていた着物を、今度は私が着ようと楽しみにしておりました。
着付けをお願いしたく写真館に相談に伺ったところ「残念ですが、裄が短いのでこの着物では難しいです」と断られてしまいました。 裄をなおす、または着装を工夫する、さもなければ別の着物を探しに行く等、今でしたら対処する方法はいくらでもありますのに、当時は全くの初心者。着物を着ること自体をすっかり諦めてしまいました。相談したい母も祖母も当時は病気で入院しており、それだからこそ母の着物を着たかったのに…子ども達の晴れ姿は嬉しいものの、私にとってはこの晴れやかな文様が少し恨めしいものになってしまいました。
それがなぜか青木で、その「御所解文様」を目にする度に、懐かしさを感じるようになったのです。
何故この文様に?と記憶を辿っておりましたら「あ、あの時の着物の柄だー!」と気づき、若い母の着物姿が蘇ってまいりました。
若い母がすました顔をしている写真をゆっくり眺めているうちに、流水に四季折々の花々、松や竹などが落ち着いた彩りで配された、正統派古典意匠ならではの典雅な文様の素晴らしさに目を奪われ、いつのまにか恨めしかった気持ちもどこかへ消えてしまいました。
忙しさの中で写真館、神社でこうした思い出を残してくれた母に、改めて深く感謝をいたしました。
できることなら、生前にゆっくり着物を広げながら、一緒に話しをしたかったのですが…そんなものですよね。

これからお子様のお祝いの節目に、着物や帯をお探しのみなさま…いつの日にか、記憶の中の母の着物姿を誇らしく思う、私みたいなお子様もいるかもしれません。
ただ今、銀座店にはおすすめの訪問着、付け下げが多数揃っております。そして、これからの季節にぴったりな着物や帯の入荷も次々と控えております。
こちらは10月27日(月)入荷予定です。新着情報はインスタグラム@todays_kimonoでご確認くださいませ。
また、吉祥文様として愛用されております亀甲文様の帯締めをはじめ、装いのアクセントになります小物も多数揃っております。

いろいろと迷いながら、とっておきのコーディネートを探しにいらっしゃいませんか。
思い出に残る大切な日の装いのお手伝いをできること、スタッフ一同楽しみに待っております。

銀座店 田山
撮影場所協力:世田谷美術館
『きもの青木銀座店』
TEL03-3564-7171
営業時間 11:00~18:00
定休日:月・火曜日
店内混み合う状況もございますので、ご来店予約を頂くと比較的スムーズにご案内できます。ぜひ、ご来店予約フォームをご利用くださいませ。
※ご予約なしでもご相談を承っておりますが、ご予約のお客様を優先して対応させていただきますので長時間お待たせしてしまう場合もございます。コーディネートのご相談やお着物や帯をご持参いただく場合は、ご予約をおすすめしております。
