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「座標軸をゼロに戻してくれる存在」 裏千家茶道教授・後藤宗華先生に聞く、茶道の魅力と着物の愉しみ

和のお稽古を始めてみたい、各方面からそんな声が聞こえてくるこの頃です。
この度、銀座店をご愛顧くださっている裏千家茶道教授・後藤宗華先生にお願いいたしまして、茶道と着物についてお話を聞く機会を頂きました。


お茶との出会いは、先生が6歳のとき。

後藤宗華先生「『お辞儀がきれいな方だから、あの先生のお教室に通うといいと思うわ。』という母の言葉から、ご近所の教室に通い始めたのがきっかけです。

その先生がたまたま裏千家でしたので、そこから裏千家で茶道を続けております。
お恥ずかしい話ですが、四季折々の美しいお菓子に惹かれたこともそうですし、一緒にお稽古しているお姉さんが『私の分もいいわよ』とお裾分けしてくれて。当時は食いしん坊でしたから」と笑う後藤先生。

お母さまの慧眼から始まった後藤先生の茶人としての歩み。教授としてご活躍なさるようになったのは、ご結婚がきっかけとのこと。

 「結婚をきっかけに仕事を辞めて主婦をしていた時、当時のお師匠さんから手伝って欲しいとのお声かけをいただきました。
その後、夫のパリ赴任が決まり、パリ生活にて更に学びが欲しいと一念発起してパリで第二の大学生活をスタート。大学生活の送りながら、留学生の皆様に茶道を手ほどきして、日本文化を伝えておりました。
帰国後、本格的に裏千家のお茶の世界へと進み、20年以上は経ちましたでしょうか。」

先生の人生と共に在るお茶の世界。その魅力とは…

主宰されている『百華の会』のHPを拝見すると、まず心に残ります一文が、

「お茶が一生涯の友になるように教授しております。」

というくだり。

お茶が友になるというのはどのようなことなのか、をお伺いしました。

「今の時代、ずっとイヤホンをしていたり、スマートフォンで調べ物をしていたと思ったらインスタをついついチェックしてしまったりと、四六時中何かしらの情報に触れていますよね。

その真っ只中にいる私たちは、気がついていない間にものすごく疲弊していると感じています。

 

疲れている時や気持ちが上向かない時に、お点前をしていると不思議と頭の中が空っぽになるんです。
茶道というのは儀式なので、守らなくてはならない作法が多いのですが、お茶を点てることだけにどんどん集中していく…お茶のことしか考えない時間の中で味わう新たな開放感、私だけの自由があると言うんでしょうか。

落ち込んだ時だけではなく、嬉しくて舞い上がっている時には逆に自分の気持ちを落ち着かせてくれる。
正負の感情でぶれてしまった座標軸をゼロの状態に戻してくれるんですね。

茶道は自分の精神に寄り添ってくれる存在だと確信しております。そんな気持ちから溢れた言葉なんです。」

リヤドロのボウルを抹茶碗に見立てて

お点前を通じた亭主と客のコミュニケーションが、ビジネスの世界でも役立つと、経営者やクリエイターからも注目を集めている茶道。それだけではなく、後藤先生のおっしゃるように気持ちをリセットさせるために通っている人も多いんだとか。座標軸をゼロに戻してくれる茶道。確かに先生がおっしゃる通り、現代人の心の澱を洗い流してくれる清々しいひとときは、これからますます世に必要とされることと思います。

茶道に真摯に向き合っていらっしゃる先生が紡がれた言葉から、改めて茶道の魅力の奥深さ、時代を超えた普遍性を感じました。

茶道と着物のお支度

素敵な着姿にうっとりしてしまう後藤先生に、茶道と着物についてもお話を伺います。

「青木さんを前にして大変恐縮ですが、教室に通い始めた生徒さんから着物についての質問を受けたら、『(着物を持っていなかったら)着物でなくてもかまいませんよ』とお答えしております。

 

お茶の作法に慣れていない上に、慣れない着物を着てしまうと歩けなくなってしまう方もいらっしゃいます。最初はお洋服でお稽古に来ていただき、お茶に慣れていただく。

お茶に慣れて楽しくなってくると、だんだん着物を着てみたくなってくると思うんですね。そこではじめて、私からもおすすめするようにしております。」

 

茶道=着物と思いがちですが、最初から全て揃えなくても良しとなりますと少しホッとしますし、茶道へのハードルもぐっと下がりますね。
とはいえ着物の知識がなくとも、後藤先生の素敵な装いに接していましたら、自然と着物に興味を持ってしまうはず。

そんな方のために
「はじめての着物は、やはりまず色無地か江戸小紋がよろしいでしょうか。お茶会用であれば紋を入れておくと尚良いですね。
着物を着始めるとやはり他の着物にも興味を持ち始める方が多いので、そうしたら2枚目は付け下げ……段階を追ってとアドバイスをさせていただくことが多いです。」

 

先生も茶道を始めた際には、お茶の世界を歩む決意の気持ちを込めてピンクの色無地をお誂え。今でも大切にお召しになられている、大切な1枚となっているそうです。

着物で車も運転される、アクティブな後藤先生

着物を装うことを心から楽しんでいらっしゃる後藤先生、この日も青木でお求めいただいた華やかな刺繍の訪問着をお召しでした。以前は畳との相性の良くない刺繍の着物は茶道には不向き、とお選びにならなかったとそうです。
テレビや雑誌へのメディア出演や、お呼ばれのゲストとしての着用場面も多い先生のお立場を考えますと、優雅な刺繍の訪問着は必ずや先生の魅力をもっと引き出してくれるはず、と確信した店長の橋本がおすすめしたとのこと。 新たな扉が開きましたと喜んでいただけて、店長も後藤先生の美しい着姿を拝見する事ができて、大変光栄に存じております。

今回は、パーソナルカラー診断を受けていただきながら、お話をお伺いしました

和やかにお話くださいました一時間。茶道への深い想い、そして着物を着ることを心から楽しんでいらっしゃる先生のお姿に、すっかり魅了されてしまいました。
最後に立礼でお茶を点てていただくサプライズも! お茶と共にきもの青木への想いも伝えてくださった先生のお心遣いに、心から感謝です。

はじめてのお茶席の着物を選ばれる方も、新鮮なコーディネートをお探しの方も、きもの青木では、お茶席と着物について最新の情報を取り入れながら、より良いご提案をさせていただいております。
ぜひお気軽にお立ち寄りくださいませ。

 

百華の会 主宰・後藤宗華

幼少期より茶道に親しみ、故鈴木宗梅氏に師事。パリ留学中も留学生に立礼(テーブル式)での裏千家茶道を教授しながら、日本文化を紹介。2009年帰国後、茶道裏千家直門として活動中。茶道教授10周年目に銀座4丁目に臘月庵を開庵ののち、2万人以上の方に茶道を教授する。

公式HP:ttps://www.hyakkanokai.com/
インスタグラム:https://www.instagram.com/hyakkanokai

銀座きもの青木 では、お茶の季節に合わせて、「お茶ときもの、あれこれ」というコラムやブログでの発信をいたしております。折々の装いのご参考に、どうぞご利用くださいませ。