現在は退会なさっておいでのようですが、長く国画会を代表する型絵染作家として活躍してこられた添田敏子さんの名古屋帯です。こちらは 1976年の作品で第50回国画会展出品の「寒椿」、枯れた味わいのある黒の紬地を背景に色とりどりの椿の花が咲き誇る、添田さんらしい存在感のあるお品ですね。紅梅や藍、滅紫に榛など落ち着いた彩りが創る景色は力強くも温かく、見る人の心をほっと和ませてくれます。添田さんは染色工芸の世界からのちに版画家に転身なさった森義利さんに師事、森さんと親交の深い芹澤けい介さんからも大きな影響を受けられたそうですが、この方の個性はやはり別格。その自由で豊かな世界を着物や帯のかたちで身に纏うことができるとは、なんと幸せなことかと思います。ぜひこの機会にお手に取ってご覧くださいませ。

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