辻が花の技法を今に蘇らせたことで知られる小倉建亮さんに師事、その確かな技術を基に辻が花を「絵絞り」として捉え独創的な意匠も取り入れながら現代の辻が花を追究なさる、日本工芸会正会員・福村廣利さんの工房・絵絞庵製の着物です。こちらは梅鼠色が近いでしょうか、やや灰みを帯びた淡いピンクの時に水玉や小さな蝶が絞りで表現されたお品。寸法から考えますと十代前半のお嬢様のために誂えたものと思われますが、一般的な十三参りなどの着物とは全く異なる趣向ですね。色柄をぐっと抑えながらも、ほのぼのとした可愛らしさが香る確かな存在感は、作家工房作品ならではのものです。少女期の楚々とした美しさを際立たせるためにと心配られたであろう優しい景色が、作り手の温かな眼差しを伝えてくれますね。内揚げ等は充分に入っておりますので、帯を替え寸法を直しながら長くお召し頂けます。お正月、お祝いの席、お茶の会などぜひ折々に袖を通してくださいませ。

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