朽葉色が近いでしょうか、黄みがかった薄茶の地に様々な角度から眺めた小さな梅の花が散らされた江戸小紋です。こちらは昭和53年に国の重要無形文化財保持者に認定された江戸小紋の第一人者・小宮康孝さんの作品「梅の花」。錐彫りの極小の珠で象られた愛らしい梅の花が、落ち着いたお色ですっきりと染め上げられています。江戸小紋らしい渋く枯れたお色に、女性的な花のモチーフを添わせた洒落味あるお品、優しい梅のかたちが装いに品の良い甘さと格調を与えてくれることと思います。