経糸には白橡色と紅海老茶色を交互に配し、緯糸には墨色の糸を用いた無地感覚のざざんざ織です。所々に見え隠れする墨色の節が趣深い景色をつくるお品、赤みの糸の華やかさは程よく抑えられ、色付いた木々の葉を僅かに残した初冬の景色をふと思い起こさせる、枯れた趣きが味わい深い一枚ですね。極太に撚った玉糸を丁寧に草木で染め、手機で丹念に織り上げられるざざんざ織は、しなやかで皺になりにくく、真冬でも単衣で通せる程のどっしりとした風合いのお品。こちらは袷仕立てになっておりますので、さぞや暖かいことと思います。この機会にぜひ、頼り甲斐のあるその着心地をお試し下さいませ。