落ち着いた深紫色の地に、錐彫りによる精緻な松文の型が染め上げられた江戸小紋です。こちらは昭和53年に国の重要無形文化財保持者に認定された江戸小紋の第一人者・小宮康孝さんの作品。目を凝らせば極小の珠の一つ一つがくっきりと際立つ染めの美しさに 円熟の技を感じます。押すな押すなの声が聞こえそうな程、隙間無く重ねられた松の景色には、三役の格調とはまた異なる洒落みと楽しさがあり、装いにも広がりが生まれますね。吉祥文である松の意匠は格高の袋帯を合わせれば、改まった場面やお祝いのお席にも対応できる気品を備えていますが、一方伊達衿を外して季節の染め帯などを載せて頂けば、きちんと感のある街着としてもお楽しみ頂けますね。上等な江戸小紋を一枚ご用意頂くと、お茶席や卒入学などの式典にも安心です。この機会にいかがでしょうか。