一面に咲き乱れる萩の図が描かれた白練色の紗に、鳩羽色の無地の紗を重ねた贅沢な紗合わせの訪問着です。美しく透ける二枚の薄絹から生まれるモアレのような繊細な表情が、着る人の動きと共に揺らめいて、この着物ならではの優雅で幻想的な景色を創り出します。以前は僅か二週間程とされていた紗合わせの着用時期も、現在ではほぼ単衣時期を通して、と広がっており、この風情あふれる着物をお楽しみ頂ける機会が増えてきたこともうれしいですね。紗合わせとはいえ絽と紗を重ねたお品が多い中、こちらは紗と格子風の紗を重ねたより軽やかな雰囲気の夏衣です。この機会にぜひお手に取ってご覧くださいませ。