淡い亜麻色の地に絣を絡めた細い縞、重ねて繊細な緯絣で松笹に楓や流水などが表現された小千谷縮です。晒していない苧麻そのままのようなお色の優しさ、古典的な趣きの小さな絵絣の愛らしさにほっと心和みますね。手織りによって丁寧に経緯の絣合わせが為されたお品は、今ではすっかり少なくなりましたが、やはり細やかな織りの景色はもとより糸質も風合いも量産品とは一線を画します。吸水・吸湿性の高い麻に更に細やかなしぼをつくることで布が程良く肌から離れ、風を通し、一層の清涼感を運んでくれる小千谷縮。夏の定番として手放せない着物だからこそ、この機会に上質な一枚をお選びになってはいかがでしょうか。