一般的な紬織用の糸の４倍程の太さに撚りあわせた極太の玉糸を手機で丹念に織り上げるざざんざ織は、着込む程に身体に馴染む風合い豊かな紬です。ふっくらと厚手ながらしなやかで嵩張らず、また皺にもなり難い独特の布味は、やはり選び抜かれた極上の糸ならではのもの。袷の時期にも単衣仕立てで充分暖かくお召し頂ける、頼りがいのある着物です。こちらは全体のイメージとしては茶鼠色が近いのですが、経糸には白橡色、葡萄色を細縞に置き、緯糸には黒色が織り込まれたお品。玉糸ならではの小さな節があちこちから顔を覗かせており、シンプルながらとても趣深い景色が生まれていますね。丁寧なお仕事が創り上げた風格ある着物、作家作品など力のある帯を合わせて、上質なカジュアルをお楽しみ下さいませ。