白鼠と灰みを強めた薄鼠が近いでしょうか、ごく淡いグレイの地に横一列に藤の花を配し、紫みを帯びた濃いめのグレイを裾濃に置いた訪問着です。地色に溶け込む淡い彩りの花々は全て繊細な刺繍によるもの。ふっくらとした刺繍独特の質感や光沢、そして赤みや青みなど様々な色味を内に含んだ紫のいろを自在に操り、幻想的な世界を創り上げていますね。4月終わりから5月初めにかけてが見頃の藤の花、山間に咲く花の力強い美しさも趣深いものですが、丹念に手入れをされた真っ直ぐに長く枝垂れる花の洗練された美しさはまた格別です。そんな優雅な景色を大胆な構成で着物の形とした一点、季節ならではの贅沢な装いをお楽しみ下さいませ。

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