米沢で上杉鷹山公の時代から十六代続く機屋・助左衛門工房さんのお品から、しな布地に藍の型染めで牡丹文が表現された八寸名古屋帯です。古代布の一つとして知られるしな布は山形県や新潟県の一部で僅かに織り継がれている稀少な織物。しなの木の硬い樹皮を長い時間と手間をかけて糸に績み、手機で織り上げる布は丈夫で水にも強く、野趣豊かな布味は夏の帯地としてもとても魅力的ですね。藍地にしなの繊維そのものののナチュラルなベージュで染め抜かれた優しい牡丹花の枝が美しく映える涼やかな一点、上布や個性ある夏織物の装いにいかがでしょうか。