金糸燦めく木賊色の地に、見事な刺繍が施された袋帯です。インドの叙事詩の場面でしょうか、装飾的な格子で区切ら れた枠組みの中に、エキゾティックな人物風景が精緻な刺繍で表現されています。日本刺繍より数段細い糸を用いて一つ一つ埋め込まれたかたちが、絵画のように奥行き豊かな景色を見せるお品、考えられない程の時間が費やされたであろう、蘇州刺繍の逸品です。抑えた色遣いながら極められた手技の重みが圧倒的な存在感を放つことと思います。華やかなお席の装いにいかがでしょうか。