端布にある説明には薄枇杷地とありますが、印象としましては薄卵色が近いでしょうか。やや黄みを帯びた淡いベージュの地に釣り鐘型の楚々とした花が描かれた染め帯です。宝鐸草(ホウチャクソウ) という花は、4月下旬から5月の初旬頃に美しい花を付けるユリの仲間で、仏塔の軒などにつるす風鐸に形が似ることからこの名がつけられたのことです。ほんのり緑みを帯びた白い花は控えめながら実に清々しく、これからの季節に相応しい爽やかさが香りますね。東京友禅作家として活躍なさる腰原淳策さんの作品、紬や小紋などの装いに初夏の風を運んでくれることと思います。

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