温かみのある白の地にリズミカルな幾何文が表現された首里織の名古屋帯です。 ここに用いられたロートン織と花織は、糸の光沢がとりわけ美しく際立つ技法、 輝くような白、落ち着いた華を見せる鶸茶や黄橡、藍などの挿し色が、端正で清々しい景色を創りあげています。残念ながら証紙等はございませんが、大城志津子さんの下で学ばれたお二人の女性による「あや工房」さんの手と思われるお品、紬糸とは異なるつややかな細糸で丹念 に織り上げられた精緻な布は、琉球王府の高位高官のための衣として織り継がれ てきたものならではの気品を確かに伝えています。ドレッシーで洗練された雰囲 気のお品ですので、光沢感のある紬から小紋など合わせる着物も幅広く、様々な 場面でお楽しみ頂けることと思います。