練色の絽塩瀬地に、素朴な野の蔓実が配された染め帯です。モノクローム写真のような葉、銀彩に縁取られた黒紫や葡萄色の実の瑞々しさ、控えめな色柄の中にも静と動が折り込まれ、印象的な景色が生まれていますね。すっとひと筋、お太鼓や胴を横切る構図の潔さにも洗練を感じます。夏の織りや小紋などに合わせて、端正で風趣豊かな装いをお楽しみ下さいませ。