薄色が近いでしょうか、灰みがかった淡い紫系の地に花枝が浮かぶ袋帯です。花葉は白に一部黒鳶をランダムに織り交ぜて象られており、葉に挿された千歳緑の掠れたような表現とも相俟ってどこか朧な景色。美しい蘇芳色がその不安定さをすっきりと引き締めていますね。眺めていて視線が外せなくなるような独特の魅力を持つお品、紬や小紋などの装いにいかがでしょうか。常に時代に先んじた個性的な帯づくりで知られる洛風林さんの作です。