唐織で名高い西陣・山口美術織物さんの袋帯です。こちらは銘「四季果実文」、白橡色が近いでしょうか、落ち着いたベージュの地に桜桃や林檎、苺に栗、洋なしや柿、葡萄、無花果や枇杷…眺めているだけでうれしくなってしまうような豊かな実りが表現されています。そこここには小さな蜂や蝶の姿も見え隠れしており、作り手の温かな視線が感じられますね。四季折々の果実という楽しい題材をふっくらとした精緻な唐織で織り上げた贅沢な逸品、金糸を用いておりませんので上質な無地紬や光沢感のある織りの訪問着などに合わせても素敵ですし、シンプルに江戸小紋や紋付き色無地などにのせても帯の良さが引き立つことと思います。お出かけ先のお席でもいろいろな方との会話が弾みそうですね。ぜひお手に取ってご覧くださいませ。