贅沢な帯づくりで知られる西陣の龍村美術織物さんの作「葉影童遊錦」です。こちらは円山応挙の「芭蕉童児図屏風」を彷彿とさせるお品。引箔の輝く金地を背景に、芭蕉の葉影で無邪気に遊ぶ童子たちの楽しげな姿を生き生きと表現した袋帯です。かくれんぼに、馬に、お絵かきに…大らかな芭蕉の葉を自由自在に道具に仕立てる童子たち、その表情や仕草の細やかな動きがひとつひとつ丹念に織り表されています。この上なく華やかでありながらも心和む微笑ましさも備えている、そんな龍村さんならではの個性が晴れやかな日の装いを重厚に引き立ててくれることと思います。ぜひお手に取ってご覧くださいませ。