贅を尽くした帯づくりで知られる龍村美術織物さん、中でも創業者の名を冠した「龍村平蔵製」ブランドは、龍村錦帯の名で販売も限られる特別な扱いとなっています。こちらは弁柄色が近いでしょうか、僅かに茶みを含んだ落ち着いた赤系の紗を背景に、華やかな唐草文や蝶などを大胆に表現した本袋帯です。夏物らしい地風の軽やかさを生かしながらも、多彩な箔糸を駆使した複雑な織りが見せる迫力はやはり圧倒的です。平蔵さんならではのクラシックで重厚な存在感が、夏の盛装を華麗に引き立ててくれることと思います。

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