型絵染作家・岡田その子さんの作品で、雲の合間をふわふわと気球が浮かぶ心和む名古屋帯です。少し前には淡黄系のお品をご紹介しましたが、こちらはお色違いの夏帯、紅梅風に格子が織り込まれた透け感のある夏生地が用いられています。露草色を背景に、淡黄やグレイッシュなピンク、グリーンや藍色などの綺麗な彩りを生かしたほのぼのとした景色が、何とも微笑ましいですね。シンプルな構図ながら、ぽっかりと浮かぶ雲の丁寧な暈かしや気球に映る雲の影、細く引かれた金彩の繊細さに、洗練された確かな仕事が見え隠れするお品。上質な絵本を眺めるようなゆったりとした世界は、大人の女性を魅了することと思います。やはり芯のある個性を備えた紬や小紋などに合わせて、朗らかな装いをお楽しみ下さいませ。