帯問屋として京で270余年の歴史を持つ老舗・誉田屋源兵衛さんは、卓越した染織技術を駆使し、常に新たな挑戦を続ける個性的な機屋として知られています。こちらはアッサム地方特産の選び抜かれたムガシルクを使用した「夢雅」と銘された袋帯。経糸には淡い金色に輝く糸を、緯糸には墨黒の糸と平金糸を用いて、格調高い唐草文様がさっくりと織り上げられています。所々には白金色の幅広の箔糸がふんわりと織り込まれており、対照的とも言える贅沢な糸たちをさらりと合わせた独特の素材感に誉田屋さんならではの力量を感じます。野蚕のナチュラルな趣きを残しながらもフォーマル性の高い重厚な存在感を備えた逸品、帯自体のふわりとした軽さも使う人にとってはうれしい驚きと思います。艶感のあるドレッシーな織りや紬の訪問着などにも美しく映えそうですね。改まったお席、パーティなど晴れやかな場面でも一際目を惹く、洗練された装いをお楽しみ下さいませ。