贅沢な帯づくりで知られる西陣の老舗機屋・龍村美術織物さんのお品から、銘「源氏寄生錦」袋帯です。源氏物語の第四十九帖・宿木に取材したものでしょうか、豊かに垂れる藤の花と波間の源氏車が色紙のように重ねられた景色が象徴的なお品ですね。黒地に煌めく金銀糸や色箔糸が幾重にも重なる重厚な景色は、多彩な糸を自在に操る高度な織技ならではのもの。物語性のある華麗なモチーフから生まれる龍村さんらしい力強い個性を、存分にお楽しみ頂けることと思います。晴れやかなお出かけの機会が増える季節、格高の小紋から訪問着などの装いにいかがでしょうか。