鶸茶色が近いでしょうか、灰みの強い柳色系の地に、深い紫色や焦茶色に薄縹色を小さく効かせた浮織りが施された読谷山花織の名古屋帯です。帯に用いられることの多い手花織を用いず、綜絖花織のみで整然と幾何文様が表現されたお品。一般的な読谷山花織の帯の優しく可愛らしい表情とはまた趣きを異とする、緻密な織りによる端正な景色からは、高位の方々のための布独特の気品と洗練が感じられますね。こちらは比嘉恵美子さんの作。人間国宝・与那嶺貞さんが1988年に設立なさった技術保持団体「読谷山花織保存会」の一員 (現会員3名) であり、また翌年には与那嶺さんに続く県指定重要無形文化財「読谷山花織」保持者として追加認定された、現在の読谷山花織を代表するの織り手さんです。高度な技術を基に現代性も程良く取り入れた作品は、日本工芸会正会員として工芸展などへの出品もなさった方ならではのもの。沖縄の染織品ならではの温かな手仕事の味わいをモダンなかたちでお楽しみ頂けそうですね。

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