沖縄県指定無形文化財「本場首里の織物」の技術保持者として、また国画会会員として活躍なさったルバース・ミヤヒラ吟子さんの作品です。琉球王府の貴族や士族の衣服として洗練を極めた首里織はその技法も幅広く、花倉織・首里花織・道屯織・手縞・綾の中・総絣など様々ですが、今回のご紹介は首里花織による名古屋帯。榛色が近いでしょうか、穏やかなベージュを背景に手花織による様々な幾何文が配されています。絹糸の色や光沢が生きる刺繍のようにふっくらとした織りが花織の特徴ですが、宮平さんの首里花織は地糸も細く織りも緻密で、洗練された色遣いと共に独特の端正な表情をみせてくれますね。この方は母である人間国宝・宮平初子さんから受け継いだ多彩な首里織の技術に、フランスの織物の研究で培ったエレガントな感性を重ね合わせた高雅な着物や帯の製作で良く知られ、首里織の正統を継承なさる大きな存在でいらっしゃいましたが、昨年末にまだ60代のお歳で逝去されたとのこと。遺された稀少な作品となってしまいました。大切にご愛用頂けましたらと思います。

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