やや色を淡くした黒橡色が近いでしょうか、ニュアンスのあるグレージュ系の地に正倉院裂としても名高い葡萄唐草文が表現された袋帯です。白鼠や湊鼠、深川鼠などグレイッシュな中間色を用いた洗練された色遣いがとてもシックな印象ですね。こちらは200年以上の歴史を誇る西陣屈指の名門・服部織物さんの作、質の高い仕事ならではの重厚な存在感に伝統の底力を感じます。格調ある意匠ですが金糸の使用は控えめですので、改まったお席のための装いはもちろん上質な無地紬やドレッシーな織りの着物にも合わせて頂けそうですね。ぜひこの機会にお手に取ってご覧くださいませ。