檳榔子染色が近いでしょうか、灰味がかった暗い茶系の地に金茶と樺色、利休色のアトランダムな縞を置いた名古屋帯です。独特の深い色は黄八丈伝統の染めによるもの。苅安・椎・マダミを材として染料に浸けては干すという作業を数十回も繰り返すことで、金茶・樺・黒の美しい三色が生まれます。黄八丈の命ともいえる丹念な染めによる糸を用いた薄物が夏黄八丈。糸染めは八丈島の伝統工芸士・西條吉広さんが行い、小千谷で織り上げられたお品で、黄八丈ならではの彩りはそのままに、ほのかな透け感のあるさっくりとした質感をお楽しみ頂けますね。さらりとした風合いですが着尺の夏黄八と比べますとやや糸が太め、また芯の入った九寸帯ですので、盛夏というよりは単衣時期前後の合いの季節に重宝頂けそうです。とりわけ淡彩の着物にはきりりと映える自慢のお色、袷の黄八丈よりもややマットで落ち着いた印象でお召しになる方や年齢を選びません。紬や木綿、小紋などの装いにいかがでしょうか。

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