やや色を薄めた濃鼠色が近いでしょうか、灰みを含んだ青紫系の絽縮緬地に千鳥に簀垣、柳に撫子などが描かれた染め帯です。海辺を思わせる風景に秋草を添えた風情豊かなお品、構図の美しさがとりわけ印象的で、千鳥が舞い柳が揺れる繊細な表現が見る人に涼やかな風を感じさせますね。細やかなシボがしゃりっとした手触りをつくる絽縮緬は光沢が控えめで落ち着いた発色も魅力です。単衣から夏を通して、染め織りを問わず様々な着物に合わせて、季節ならではの趣深い装いをお楽しみ下さいませ。