落ち着いた滅紫色の地に極小さな錐彫りの珠が象るのは無数の亀たち。「宝亀」と銘された人間国宝・小宮康孝さんの江戸小紋です。大小様々な亀にはみな甲羅に長い藻がついており、簑を背負ったような姿は「簑亀」といわれ、長寿を象徴する吉祥文として古来珍重されています。押し競まんじゅう状態の亀たちがお目出度さと共にちょっぴりユーモラスな感を誘うお品、改まったお出かけやお祝いのお席などにも、礼を尽くしながらもどこか微笑ましい、素敵な装いをお楽しみ頂けることと思います。型彫り、糊置きそして染め、全てに至高の技術が尽くされた逸品です。ぜひ長く大切にお召し下さいませ。