
銀座【着物4006】久呂田明功作 縮緬地 染一ッ紋 訪問着 松に竹の図(落款入)
伽羅色が近いでしょうか。ややベージュに寄せた橙色系の縮緬地に肩袖には松の古木を、裾には上へと向かってすっくと伸びる竹の姿が描かれた、染一ッ紋の訪問着です。こちらは江戸友禅作家 久呂田明功さんの作、かつて浦野理一さんの仕事を支えたことで知られる先代からの作風を引き継ぎ、重厚で存在感のある着物や帯を制作なさっていますね。濃藍色や明度を落とした深緑色に所々白をくっきりと効かせた印象的な色遣い、金彩に縁取られた力強いモチーフから生まれる迫力ある景色は久呂田さんの作品ならではのもの。凜々しく潔い竹や風格を感じさせる老松の表情には、繊細ではんなりとした京友禅とは全く趣きの異なる、江戸友禅らしいきりりとした個性が光っています。新年のお呼ばれや新春のお出かけにいかがでしょうか。青山みともさんの扱いです。
この商品のONLINESHOPページを見る銀座【着物4005】士乎路紬 藍格子 着物(反端付)
士乎路とは能登半島の古称。その地にある一軒の工房で製織される紬が士乎路紬です。紬の最高峰である結城紬と大島紬の美点を併せ持ち、最初から程良く着込んだかのような肌なじみの良さを備えた紬をと、故 水島繁三郎さんが繊維科学の専門家としての知識を生かし試行錯誤を重ねて創り上げられた織物で、化学的に研究された泥染めや草木で染色した真綿手引き糸を経緯に用い、手機で織り上げられた贅沢な紬です。こちらは藍色の濃淡に深いグリーン、落ち着いた赤を効かせて彩り美しい格子文が表現されたお品。親しみ深いお色目が創る温かな格子文は、お召しになる方や年齢を選ばず、また合わせる帯を選びません。作り手の思いを繋ぎ、隅々まで丁寧に手を掛けられた布は、軽くしなやかに身に添い、優しく身体を包んでくれることと思います。ほっこりとした紬の風合いがうれしい季節となりました。気軽なお出かけにいかがでしょうか。
この商品のONLINESHOPページを見る銀座【着物4004】人間国宝 森口華弘作 訪問着(落款入)
練色が近いでしょうか。やや黄みを帯びたオフホワイトの地に、明度を落とした鳩羽鼠色に小さく梅鼠色を添えた繊細な蒔糊を置き、裾には椿のシルエットを、胸や肩袖には梅の花枝が配された訪問着です。高度な蒔糊の技術によって、着物全体のお色目は裾に向かってゆるやかに反転しており、その吹雪のような独特の景色が、金彩のみを添えた静かな椿と、淡黄色や柑子色、深い紅を効かせて力強い筆で描かれた華麗な梅花の対比を、見事に際立たせていますね。こちらは重要無形文化財「友禅」の保持者、森口華弘さんの作品。人間国宝として認められた究極の技術が、訪問着という晴れやかな形で存分に発揮された大作です。着席した状態では肩から胸にかけての華やいだ景色が、着る人の表情を明るく引き立て、立ち姿では着物そのものが力強い存在感を放つ緻密かつ迫力ある構成は、重厚な古典美のみならず大胆な現代性をも備えており、贅沢な社交着が居並ぶ場面でも一際目を惹く装いをお楽しみ頂けることと思います。ぜひお手に取ってご覧下さいませ。
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