銀座【着物2518】国指定重要無形文化財 喜如嘉の芭蕉布
銀座【着物2518】国指定重要無形文化財 喜如嘉の芭蕉布
材料となる糸芭蕉の栽培に三年を費やし、二百本もの木から取り出した繊維を細く裂いては結んで糸をつくり、絣を括り…機にかけるまでにも長い長い時間と手間をかけ、その後乾燥に弱く切れやすい糸を丹念に手機で織り上げることでようやく布のかたちとなる芭蕉布。戦後平良敏子さんを中心とする方々の尽力で復興し、守られてきたその技術は国の重要無形文化財に指定されています。今回のご紹介はナチュラルな淡いベージュの地に深い藍色の幾何文が並べられた着物、 細縞に小さな四角形の経緯絣を重ねたシンプルなモチーフは、喜如嘉の芭蕉布保存会編集の冊子によればウチクイ柄の一つでしょうか。素朴で力強い絣がこの布の野趣ある美しさをきりりと引き立てていますね。強い張りによって身体からふわりと離れ、熱を逃がし風を呼んでくれる清々しい布、この夏のお出かけにいかがでしょうか。