銀座【着物4505】宮古上布 着物

苧麻を育て、極細の糸を績み、絣を締めて琉球藍で染め上げ、乾燥に弱く切れやすい糸を宥めながら精緻な絣を手機で織り上げる、そんな難儀な仕事をひとつひとつ長い時間をかけて積み重ねることでようやくかたちとなる夏衣の最高峰、宮古上布の着物です。ひんやりとした手触りの繊細な布は、心許ないほどの薄さでありながら、程良く身体から離れてふわりと風を通す絶妙な張りを備え、暑気を払うような清冽な存在感を見せてくれますね。こちらは独特の深い深い藍の地に、極小の絣で端正な装飾文様が見事に表現されたお品。洗練を極めた宮古上布ならではの典雅な魅力を存分にお楽しみ頂ける一枚と思います。最近では段々と少なくなってきている伝統的な紺上布、酷暑の中でこそ輝くその気品あふれる美しさを、ぜひこの機会にお確かめくださいませ。 

この商品のONLINESHOPページを見る

銀座【着物4504】山田宗一作 石川県指定無形文化財 能登上布 白色 小絣花文(桐箱 余り布 雪晒し証紙付)

古来上質な苧麻糸の産地として知られる石川県の能登地方では、江戸期より布の生産が始まったとこと。明治期以降には「能登上布」の名が上質な麻織物として全国に知られるようになったそうですが、現在では羽咋市に一軒の工房が残るのみ。こちらは山田宗一さんという方の作で、少し以前に製作されたものと思われる一点です。仄かに青みを含んだ清々しい白の地に、深い藍色の糸の経緯絣によって、愛らしい花の姿を浮かべたお品。モダンな縞やシンプルな幾何文とは異なる、素朴でおおらかな花たちの表情に、ほっと心安らぐような優しさを感じますね。ごく細い上質な糸を用いて丹念に織り上げられた布は、今回越後にて雪晒しのお手入れを済ませてあります。ふんわりとした程良い張りやひんやりとした手触り等々、素晴らしい素材感に加えて、不純物がすっかり取り除かれて瑞々しく生き返った白の色も、ぜひお確かめいただきたく思います。すうっと風が抜けてゆく上布ならではの極上の着心地を、どうぞお楽しみくださいませ。

この商品のONLINESHOPページを見る

銀座【着物4503】本場夏大島紬 鉄紺色 市松暈かしに草葉の図(反端 証紙付)

撚りの強い絹糸を用いて程良く隙間を空けて織り上げられる本場夏大島紬は、程良い透け感とさらりとした滑らかな風合いが心地良い上等な夏衣ですね。こちらは黒と見紛う程に色を深めた鉄紺色の地に、ごく小さな経緯絣で暈かしの市松段を置き、間にはすんなりと伸びる唐草風の草葉が配されたお品。整然と並ぶ精緻な絣の景色に、本場大島紬の産地ならではの高度な技術が光る一枚です。以前は薄物として着用の時期も盛夏を中心としていた夏大島ですが、5月頃から夏のような気温が長く続く昨今の気候では、単衣時期から夏を通して爽やかな着心地をお楽しみいただけることと思います。ほんのりとした市松を中心としたシンプルモダンなモチーフは帯合わせを選ばず、季節の染め帯や芭蕉布、しな布など自然布系の八寸を合わせて頂いても素敵ですね。ぜひこのお機会にお手に取ってご覧くださいませ。

この商品のONLINESHOPページを見る