
銀座【着物3835】添田敏子作 紬地型絵染 単衣着物
こっくりと深みを帯びた藍色が美しい、さらりとした手触り良い薄手の紬地に、より深い藍に革色や虫襖色など鈍い緑系の濃淡色を乗せた不思議なかたちが染め上げられた型絵染の着物です。こちらは添田敏子さんの作品。晩年は退会なされたようですが、長く国画会を代表する型絵染作家として活躍なさった重鎮作家さんですね。植物のようではありますがこれは?と作品集を開いてみましたら、茗荷・白菜と銘されて裂地として掲載されていました。なるほどと思いつつも、かの野菜からこんな斬新なモチーフを生み出すその感性に改めて驚かされますね。裂地では差し色も鮮やかに展開されていましたが、こちらはぐっと色数を抑えることで白のラインを生かした構成。いっとき暑さをも忘れさせてくれるような見事な清々しさです。添田さんは染色工芸の世界からのちに版画家に転身なさった森義利さんに師事、森さんと親交の深い芹澤けい介さんからも大きな影響を受けられたとのこと。この方の着物や帯には多彩な個性が光る型絵染作家さんの作品の中でも別格の存在感がありますが、その自由で豊かな世界を存分にお楽しみ頂ける一枚と思います。ぜひこの機会にお手に取ってご覧くださいませ。
この商品のONLINESHOPページを見る銀座【着物3834】本場黄八丈染 夏黄八 着物(反端 証紙付)
本場黄八丈の命は染め。刈安、椎、マダミを材として何回も何回も繰り返される丹念な染めによって、金茶、樺、黒の三色の美しく堅牢な色が生まれます。こちらは黄八丈独特の染めを施した糸を用いた薄もの、夏黄八丈の着物。糸染めは八丈島の伝統工芸士 西條吉広さんが行い、製織の技術に優れた小千谷にて織り上げられています。深い黒と輝くような金茶、そしてこっくりとした樺色と黄八丈を織り成す三色の全てを用いた一枚。経緯の糸に黒と樺、金茶をバランス良く配した繊細な縞の景色は、シンプルながらとてもモダンな印象ですね。白い襦袢をほんのりと透かす濃地の薄物ならではの涼感が際立つお品、きりりと冴える黄八丈自慢のお色目はそれぞれ、袷の黄八丈よりもややマットで落ちついた印象となっていますので、お召しになる方や年齢を選ばず、どなたにもさらりとお召しいただけることと思います。季節の染め帯や素材感のある八寸などを合わせて、夏の強い陽射しに映える凛として風情ある装いをお楽しみくださいませ。
この商品のONLINESHOPページを見る銀座【着物3833】岡本幸治作 本加賀友禅 訪問着(落款入 反端 証紙付)
地色は藤煤竹色が近いでしょうか。灰みの強い落ち着いた紫を背景に、石垣に四弁花を添わせたモダンなモチーフが描かれた訪問着です。同系の桔梗鼠や葡萄鼠濃淡に紺鼠や灰青を溶け込ませたシックな色構成が印象的なお品。社交着らしい格調と華やかさを備えながらも、どこか静かな佇まいに加賀友禅らしい品の良さが香ります。こちらは加賀染振興協会の厳しい落款登録制度の認可を得た本加賀友禅作家・岡本幸治さんの作。花鳥風月を題材とした写実的な表現は加賀友禅の特徴ですが、それとは少し趣きの異なる洗練された景色は現代的な洋の空間にもとりわけ美しく映えることと思います。一歩控えた好感度の高い装いをお楽しみ頂ける加賀友禅の優品、ぜひこの機会にお手に取ってご覧くださいませ。
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