銀座【着物3750】菊池洋守作 八丈織 着物(余り布 紙札付)

やや明度を落とした栗色が近いでしょうか。こっくりと深みのある独特の彩りが美しい紬織の無地着物です。とろりと肌に添うしなやかな風合いに確かな上質感が光る一枚、こちらは数年前に逝去されました菊池洋守さんの貴重な作品です。柳悦博さんに師事、のちには白洲正子さんにもその才を認められたこの方が、八丈島の工房で丹念な手仕事を重ねて一反一反織り上げた布は八丈織と名付けられています。菊池さんの織りといえば、洗練された淡彩やシックなニュアンスカラーを用いた精緻な綾織や吉野織のエレガントな表情の品々を思い浮かべますが、今回ご紹介する着物は黄八丈の基本に立ち返ったようなシンプルな平織りによるもの。タブノキ(マダミ)の樹皮から得た色は鳶八丈として馴染み深いものですが、温かみのあるまろやかなお色の美しさを、光沢豊かな極上の糸が見事に引き立てていますね。平織りの無地、という選択は糸、染め、織りの本質を全て顕わにしてしまうものと聞いております。名手として知られた菊池さんが敢えて手掛けたベイシックな逸品、合わせる帯も幅広く様々な機会に活躍してくれることと思います。ぜひお手に取ってご覧くださいませ。

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銀座【着物3749】浦野理一作 経節紬 湊鼠色 無地

湊鼠色が近いでしょうか、灰みが強めの静かな淡いブルー系の無地紬です。こちらは日本各地の伝統的な染織技法やその歴史についての深い理解をもとに、吟味された素材と妥協のない仕事によって、その一つ一つを最高のかたちで再現なさった染織家・浦野理一さんの作。大きな節のある手つむぎの糸がつくる素朴な景色が印象的な経節紬のお品です。時間をかけた丹念な手技から生まれる趣豊かな布は、浦野さんの代表作として多くの方から愛された名品でしたが、残念ながらその技術は伝えられることなく生産が終わっています。今回ご紹介の着物は枯れた趣きの落ち着いたお色目がとても味わい深く、どのような時にも着る人に優しく寄り添い心和ませてくれそうですね。合わせる帯次第で様々な場面で活躍してくれる上質な無地紬は、現代のワードローブに欠かせないアイテムとなっていますが、中でも浦野理一さんの経節紬は別格の魅力を備えた一点。節立った糸は一般的な紬とは全く異なるどっしりとした存在感を創り出し、作家作品など力のある帯もしっかりと受け止め、引き立ててくれることと思います。ぜひこの機会にお手に取ってご覧くださいませ。

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銀座【帯4630】久呂田明功作 縮緬地染名古屋帯 枝垂れる花枝の図(落款入)

薄葡萄色が近いでしょうか。やや灰みを含んだ明るい薄紫色の縮緬地を背景に、たれ先には流水を置き、かろやかに枝垂れる花枝を配した染めの名古屋帯です。花は桜と思いきや、しなやかな枝には笹や梅、橘など様々な花葉が散りばめられており、暗い紅色や落ち着いたピンクを華やかに効かせ、紫黒色やしっかりとした緑のいろを引き締め役に置いた心弾む景色を、春のみならず折々にお楽しみ頂けることと思います。こちらは江戸友禅作家・久呂田明功さんの作。こちらの工房では、かつて浦野理一さんの仕事を支えたことでも知られる先代からの作風を受け継ぎ、存在感のある着物や帯を創り続けておられますね。選び抜かれた美しい彩りと力強い筆で愛らしい花々を優雅に表現した染め帯の名品。上質な紬や小紋、色無地などの装いにいかがでしょうか。

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