銀座【着物4292】縮緬地 訪問着 海老茶色 御所解文
海老茶色が近いでしょうか。深々とした紫の縮緬地を背景に、霞や雲取り、波や束柴とともに風格ある松に桜が表現された御所解文の訪問着です。上質な縮緬ならではのとろりとした柔らかなしぼや落ち感の良さが心地良いお品、優美な白上げの文様に繊細な染疋田や精緻な京繍が贅沢に重ねられた典雅な景色は、正統派古典のみが持つ気品と重みが凝縮されたかのような美しさで見る人を魅了します。シックで落ち着いたお色目に所々すっと添えられた深い紅の色が、はっとするような女性らしさを引き出し、着るひとを上品な華で包んでくれることと思います。残念ながら作り手さんに繋がる情報はございませんが、古典に則った入念な染繍の仕事が惜しみなく施されており、御所解文様の中でも他とは一線を画す逸品。京都で長く御所解を手掛けていらした名店の作と思われ、今後のご紹介が難しい、とっておきとも言える一枚です。晴れやかなお席にあっても一際目を惹く、はんなり典雅な装いをお楽しみくださいませ。
この商品のONLINESHOPページを見る銀座【着物4291】千總製 訪問着 藍白色 山々の図(落款入)
青みをやや抑えた藍白色が近いでしょうか。透明感のあるごく淡いブルーグレイを背景に、地色に静かに溶け込むような淡い彩りで、松を中心とする木々がシルエットのように浮かぶ山並みの景色が描かれた訪問着です。所々に精緻な繍いを添えた木々の姿が、軽やかな筆で仄かに霞むように表現されたお品。朝の陽射しでしょうか、煌めく光が山々に降り注ぎ、次第に明るさを増してゆく様子が丹念に映し出されており、一幅の絵画のような幻想的な世界が着物として見事に完成されていますね。ひんやりとした深山の空気をも感じられそうな清冽な趣きの一枚、一見控えめながら、大人の洒落みが光る贅沢な着こなしをお楽しみいただけることと思います。こちらは創業460余年を誇る京友禅の名門・千總さんの作。指折りの老舗が手掛けた確かな仕事による上質な社交着は、どのようなお席にも安心してお召しいただけることと思います。高島屋さんの扱い、どうぞお手に取ってご覧くださいませ。
この商品のONLINESHOPページを見る銀座【着物4290】山下八百子作 本場黄八丈 着物(反端 証紙付)
本場黄八丈の世界でもひときわ注目される存在として知られた、故 山下八百子さんの作品です。黄八丈の色は刈安、椎、マダミから得る三色。その伝統を守りつつ、緻密で複雑な綾織りを駆使して美しい中間色をも表現する八百子さんの黄八丈は、一般的な黄八丈の概念から少し離れたモダンな洗練、そして晴れやかさをも感じさせるドレッシーな雰囲気を備えており、わずかな光の揺れにも繊細に反応する見事な光沢を備えた作品群で良く知られています。が、今回のご紹介はまたがらりと趣きを異にする一枚。肉桂色が近いでしょうか。赤みがやや強めの明るい茶系の地に深い焦茶の三筋の縞をすっきりと走らせたお品です。山下さんの作品ならではのこっくりとした力強い色、そして極上の糸によるしっかりとしたコシと奥深いツヤを備えながらも、どこか素朴で温かな「紬感」を強く残しており、よそ行き感のある綾織りとはまた異なる親しみ深さがとても魅力的ですね。穏やかな色柄はお召しになる方や年齢を選ばず、帯合わせも幅広くお楽しみ頂けることと思います。黄八丈の織り元として、昔ながらの方法を守り続けてきた山下家は、先代めゆさんの時代から別格の高い評価を受けておられましたが、八百子さんの代になり、また伝統に一段と大きな足跡を遺されました。めゆさんから八百子さん、そして芙美子さんへと繋がれ、進化する黄八丈、その凛として風格ある織り味を、ぜひお手にとってお確かめくださいませ。
この商品のONLINESHOPページを見る銀座【着物4289】染一ッ紋 訪問着 赤白橡色 花の丸文
赤白橡色が近いでしょうか。落ち着いた黄赤系の優しい彩りを背景に、松皮菱を繋げたようなくっきりとしたラインで場を分け、重ねて蘭や桜、水仙や梅、楓に杜若など折々の花木を、優美な丸文のかたちで肩裾に配した染一ッ紋の訪問着です。萌葱色や鶸色、柑子色や杏色など地の色に柔らかく調和する綺麗な彩りを置いた愛らしい花々は、一つ一つほっそりとした金彩で縁取られ、控えめな柄置きながら紋付の社交着に相応しい上品な華やぎを纏っています。こちらは銀座の老舗呉服店 志ま亀さんの作。選び抜かれた色と格調高い古典意匠による気品豊かな着物や帯は、そのはんなりとした女性らしさや洗練された洒落み、微笑ましい遊び心で多くの方を魅了していますね。どのような場面にも好感度の高い、気品豊かな装いをお楽しみいただける一枚、秋冬のお呼ばれにいかがでしょうか。
この商品のONLINESHOPページを見る銀座【着物4288】日本工芸会正会員 藍田正雄作 江戸小紋 菫色 双葉葵(落款入)
江戸小紋の第一人者として究極の職人技が光る素晴らしい作品を遺された、日本工芸会正会員・藍田正雄さんの作品です。こちらはやや色味を落ち着かせた菫色が近いでしょうか。鮮やかな青紫系の地に、錐彫りによる点のような珠の連なりで象られた極小さな双葉葵が無数に浮かぶ着物です。目を凝らしてようやくかたちが掴めるような大きさながら、はっきりとそれとわかる一対の愛らしいハート型の葉っぱが、藍田さんの熟練の技術できりりと染め上げられていますね。男性用としても通用する渋めのモチーフが多い江戸小紋ですが、こちらは色柄ともに女性らしい華やかさが映える一枚。綺麗なお色目に洒落みが光る景色に、江戸小紋ならではの小粋な遊び心をお楽しみいただけることと思います。合わせる帯を選ばず様々な場面で活躍してくれる藍田さんの逸品、秋冬のお出かけにいかがでしょうか。
この商品のONLINESHOPページを見る銀座【着物4287】本場結城紬 鶯茶色 雪輪文(証紙付)
鶯茶色が近いでしょうか。灰みや緑みを帯びた暗い茶系を背景に、幾何文や花葉などで様々に装飾された雪輪文を散らした本場結城紬の着物です。精緻な絣技が用いられる本結城ですが、こちらは亀甲絣を使わず蚊絣の組み合わせのみで表現されたお品。経緯が綺麗に揃った美しい絣を見本帳のように様々に並べた景色がとても印象的ですね。本場結城紬は真綿から人の手でゆっくりとつむがれた特別な糸を用い、熟練の技術を持つ方々の手間暇を惜しまぬ丹念な仕事によって生み出される贅沢な織物。あらゆる工程で丁寧な手仕事を尽くすことで、ふっくらと軽く暖かく、奥深い光沢を備えた絹という素材の素晴らしい特質が余すところなく引き出された布は、水を通し着込む程に真綿に戻ってゆくといわれ、多くの方から愛され続けていますね。秋冬へと向かうこれからの季節には、本結城の温もりがとりわけ恋しくなることと思います。携わった方々の高い技術が光る、希少な蚊絣総柄のお品、お探しの方、ぜひこの機会にお手に取ってご覧くださいませ。
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