銀座【帯5096】山本由季作 紬地 染名古屋帯(反端 紙札付)

黒緑色が近いでしょうか。黒に近いほどに色を深めた緑系の紬地に、百入茶色や滅紫色、海松色や豆がら茶色など鈍く抑えた彩りに白やヴィヴィッドな青緑色をすっきりと効かせて、大小様々な花たちが表現された染名古屋帯です。元気の良さそうな大輪の花は落ち着いたお色で地色に溶け込むように、小さな可憐な花たちはコントラストもはっきりと明るい彩りに小さく煌めく金彩を添えて描かれており、帯という限られた面積の中にも森のような奥行きを感じさせますね。個性的な彩りの世界は、ほのぼのとしたモチーフによる愛らしさだけには収まらない確かな存在感を備え、見る人の心に温かく、そして力強く響いてきますね。こちらは染色作家・山本由季さんの作品です。自然に囲まれた宮城県の工房で制作なさるファンタスティックな着物や帯には、その地で生きる花や虫・動物たちなどを主役とする美しい風景が大らかに表現されており、多くの方を魅了しています。山本さん独自の無垢で上質な甘さは、ぜひ大人の女性にこそ楽しんで頂きたいもの。紬や小紋などの装いにいかがでしょうか。

この商品のONLINESHOPページを見る

銀座【帯5095】西陣 織文意匠鈴木製 袋帯 唐綾錦「大牡丹唐花文様」(西陣証紙付 反端付)

色を深めた藤煤竹色が近いでしょうか。灰みがかったシックな紫の地に迫力豊かな唐織で、華麗な牡丹の姿が表現された袋帯です。柔和な白に濃鼠色や葡萄鼠色などの深い紫、熨斗目花色に松葉色、銀鼠色などの美しい彩りを、刺繍のように立体感のある花葉にのせたお品。細糸で極薄く織り上げられた地と甘撚りの絵緯糸のふくよかな質感の対比が創る贅沢な景色は、高い技術による上質な唐織ならではのものですね。こちらは西陣指折りの名門機屋・織文意匠鈴木さんの作。金銀糸は控えめながら、くっきりと浮かび上がるモチーフの確かな存在感、そしてフォーマルなお席に相応しい重厚な華やぎは、精緻な織りによる豊かな表現力があってこそ。紋付や訪問着などの社交着に合わせて、唐織らしい気品香る装いをお楽しみくださいませ。

この商品のONLINESHOPページを見る

銀座【帯5094】宮城里子作 本紅型 名古屋帯(落款入)

軽やかな風合いの砂色の紬地に、大きくうねる水の流れと共に水鳥やふっさりと豊かな枝葉が表現された本紅型の名古屋帯です。黒みを帯びた深い藍色や黒鳶色、葡萄鼠色に黒緑色、源氏鼠色などひと色もふた色も抑えた彩りに小さく添えた蘇芳色の赤みが印象的なお品。帯として締めた際には、たれ先の青朽葉色がきりりと後ろ姿を引き締めてくれます。こちらは現代の琉球紅型を代表する作り手の一人として活躍なさる宮城里子さんの作品。尚家資料に残る紅型衣裳の復元などでも知られる藤村玲子さんに師事、王族士族の衣裳としての琉球紅型の美を今に伝えたその確かなお仕事を、しっかりと受け継いでいらっしゃいますね。躍動感豊かな構成、そして深みのある彩りが、繁った枝を揺らす風の勢いや羽ばたく鳥の生命力を生き生きと伝えてくれる優品。紬や小紋などに合わせて、本紅型ならではの力強く朗らかな個性をお楽しみくださいませ。銀座もとじさんの扱いです。

この商品のONLINESHOPページを見る

銀座【帯5093】人間国宝 北村武資作 袋帯 織繧繝 魚々子縞

長年西陣で古代の織物の研究を重ね、培った高度な技術によって羅や経錦などの上代裂を今の時代に蘇らせたことで知られる、人間国宝・北村武資さんの袋帯です。こちらは織繧繝 魚々子縞。平織に重ねて綴織りによってなだらかにうねる横縞が立体的に、そして整然と並べられていますね。様々なお色で製作されていますが、今回のご紹介は象牙色と金銀糸が用いられた、とりわけフォーマル性の高いお品。柔らかなオフホワイトを背景に晴れやかに煌めく金糸銀糸によって、端正な市松文様がほんのりと浮かび上がっています。高度な織技を駆使した景色は複雑な陰影に富んでおり、交錯する白糸の清々しい光沢、そして金銀糸の輝きが重厚な存在感を放ちます。市松という普遍的なモチーフが、この上なくモダンで洗練されたかたちへと極められた北村さんらしい逸品ですね。合わせる着物の色柄を選ばず、どのようなお席にも安心してお使いいただけることと思います。ぜひこの機会にお手に取ってご覧くださいませ。

この商品のONLINESHOPページを見る

銀座【帯5092】国画会 小島悳次郎作 紬地 染名古屋帯(落款入)

赤褐色の紬地に生成色の場を立涌のように絞りで抜き、蝋燭を灯した燭台を中央に、トランプ絵を思わせる個性的なモチーフが配された染名古屋帯です。こちらは国画会で活躍なさった型絵染の大家・小島悳次郎さんの作。人間国宝 芹澤けい介さんに師事、洋の東西を問わぬ芸術文化に対する深い造詣から生まれる多彩な意匠を、独特の色彩感で表現なさった小島さん。写本を思わせるような完成された構成や力強い色遣いから生まれる風景の豊かさに心奪われた方も多いことと思います。今回ご紹介する帯も、大胆な絞りと精緻な型による染め、対照的な二つの表現によって、個性あふれる意匠一つ一つをくっきりと際立たせたお品。ローマ数字を表現したものでしょうか。兎や小鳥、ドングリなど愛らしい脇役を添えて、中世の西洋風物を取り入れた装飾的な意匠が、柿茶色や滅紫色、藍鉄色や芥子色など落ち着いた彩りや鮮やかな翡翠色と共に濃密な世界を創り上げていますね。この方の稀有な個性を存分にお楽しみいただける逸品です。ぜひこの機会にご覧下さいませ。

この商品のONLINESHOPページを見る

銀座【帯5091】新垣みどり作 道屯織 名古屋帯(反端 証紙付)

色を深めた灰青色が近いでしょうか。僅かな青みを含んだ淡いグレイを背景に、黒や葡萄鼠色、滅紫色に松葉色、芥子色など様々な系統のお色目の濃淡色を細やかに取り込みながら、一面に緻密なロートン織が施された名古屋帯です。こちらは首里織の作家として活躍なさる新垣みどりさんの作品。戦後衰退した首里織の復興に大きな功績を残された大城志津子さんに師事、早逝なさったこの方の志と技術をしっかりと受け継いでおられます。隅々まで惜しみ無く手が掛けられた端正な景色には、琉球王府の貴族や士族の衣服として洗練を極めたと言われる首里織の高雅な趣きが確かに息づいていますね。無地感覚でありながら陰影豊かな織りの質感が確かな存在感を放つ優品。洗練された色遣いとも相俟って、紬や小紋などの装いをモダンに、そして爽やかに引き立ててくれることと思います。ぜひこの機会にお手に取ってご覧くださいませ。

この商品のONLINESHOPページを見る