銀座【着物2593】浦野理一作 紬織着物 白鼠色 よろけ縞

銀座【着物2593】浦野理一作 紬織着物 白鼠色 よろけ縞

日本各地に伝わる染織品やその技法についての深い造詣を基に、ご自身の感性と妥協のない手仕事によってその一つ一つを贅沢なかたちで蘇らせた浦野理一さん。この方が遺された着物や帯は、生産が終わって久しい今も多くの方に愛され続けていますね。中でも真綿から手でつむぎ出した太糸を手機でしっかりと織り上げた紬の数々は素朴な糸味が実に趣深く、紬織物の原点を思わせるどっしりとして温かな存在感に心惹かれます。こちらは白鼠色が近いでしょうか、淡い灰みを帯びたオフホワイトの地に深い藍色の緯絣で、瓢箪のようにゆるやかに幅を変化させたよろけ縞を表現した着物。一枚ベールを通したような緯絣ならではの穏やかな表情が、大胆でちょっぴりユーモラスなモチーフを上品にまとめていますね。節立った経糸の野趣、静かな絹の光沢や高度な絣技など随所に浦野さんのお仕事らしい拘りが光る紬織りの逸品、ぜひこの機会にご覧くださいませ。