銀座【着物2716】浦野理一作 練色 幾何絣 紬織 着物

銀座【着物2716】浦野理一作 練色 幾何絣 紬織 着物

選び抜かれ、丹念に手を掛けられた糸そのものが趣豊かな景色を創る浦野理一さんの紬は、例えば同じように真綿から手でゆっくりとつむぎ出す糸を経緯に用いる本場結城紬とも、他のどの産地の紬織物とも異なる個性を備えています。糸取りのみならず、製織にもどんなにか難儀したであろう節立った太糸から生まれる布は、とても力強く野趣豊か。一見どっしりとした印象ですが手に取れば驚く程軽く、着込む程にしなやかに身に添ってくれる実に魅力的なお品です。こちらは象牙色の地に藍色で、経緯絣の十字とX型の緯絣が交互に並ぶ「変わり十の字」と名付けられた着物。シンプルな幾何文が贅沢な糸味をより引き立たせており、柔らかな白の色と共に輝く上質な絹の光沢が、春へと向かう明るい陽差しにさぞかし美しく映えることと思います。素朴さと洗練がさらりと同居する存在感のある景色は、浦野さんの妥協のない贅沢なお仕事あってこそ。程良く着込まれたふっくらと温かな風合いのお品です。ぜひこの機会にお手に取ってご覧くださいませ。