銀座【着物2948】小島悳次郎作 付下げ小紋

銀座【着物2948】小島悳次郎作 付下げ小紋

梅鼠色が近いでしょうか、灰みが強めの淡いピンク系の地に扇の地紙の形を白く抜き、山に流水紅葉、波に松、万寿菊など様々なモチーフを置いた一方付けの小紋です。こちらは型絵染の大家・故小島悳次郎さんの作。人間国宝の芹澤けい介さんに師事、国画会で長く活躍なさった方で、洋の東西を問わぬ芸術文化への深い造詣から生まれる力強い意匠を、独特の色彩感で表現なさいました。以前ご紹介いたしましたこの方の作品はどれも、不思議な世界に迷い込むような物語性豊かな品々でしたが、こちらは少し趣きを異にしており、型絵染の原点に立ち返ったようなどこか懐かしい景色に素朴な魅力を感じますね。初期作品と思われる稀少な一点、ぜひこの機会にご覧下さいませ。