銀座【着物3080】人間国宝 山田貢作 訪問着 (落款入 伊勢丹扱い)

銀座【着物3080】人間国宝 山田貢作 訪問着 (落款入 伊勢丹扱い)

やや色を薄めた紺鼠色が近いでしょうか、落ち着いたグレイッシュブルーを背景に同系の濃淡色を用いて、蔦の葉や実と思われるモダンなモチーフが縞のように並べられた訪問着です。こちらは友禅の人間国宝 山田貢さんの作、一般的には輪郭線に用いられる糸目糊の線そのものを主役とする、精緻を極めた作風で知られた方です。作品に用いられる数え切れぬ程の繊細な線の重なりは、糊糸目友禅の技術が到達し得た一つの頂点を示しており、「夕凪」などの代表作に見られる無数の線が象る網干の姿には息を呑むような緊張感がみなぎっていますね。今回ご紹介するお品にも、何本も重ねられた細いラインが乱れなく走る景色にその究極の技術を感じますが、題材が植物だからでしょうか。小さな丸い実が愛らしく、また直線にもどこか柔らかな趣きがあり、色数を抑えた静かな景色には心和む穏やかな空気が流れているように思います。人間国宝作品ならではの確かな存在感が光る逸品、ぜひお手にとってご覧くださいませ。