銀座【帯4031】首里花織 名古屋帯

銀座【帯4031】首里花織 名古屋帯

琉球王府の貴族や士族の衣服として洗練を極めた首里織は、その技法も幅広く、花倉織、首里花織、ロートン織、手縞、綾の中、総絣など様々ですが、今回のご紹介は首里花織による名古屋帯。やや明度を落とした消炭色が近いでしょうか、仄かな茶みを含んだグレイの地に藍色や柳色、香色など様々な系統の濃淡色を使い分け、繊細な幾何文様が織り出されています。ごく小さな浮織を点描のように用いて緩やかな曲線やシャープな直線を自在に表現したモダンな景色に、作り手の磨き抜かれた技量と感性を感じます。琉球王朝文化の粋を、現代に相応しいかたちで見事に映し出した逸品ですね。残念ながら作り手に繋がるものはございませんが、細い地糸による緻密な織り、洗練されたモチーフと色遣い、そして僅かな乱れもなく完璧に整えられた独特の端正な表情からは、第一人者として「首里の織物」の復元復興に尽くされた宮平初子 さんの工房のお品を思わせます。ぜひお手に取ってご覧くださいませ。