
銀座【着物3290】人間国宝 福田喜重作 繍一ッ紋 訪問着 (落款入)
銀座【着物3290】人間国宝 福田喜重作 繍一ッ紋 訪問着 (落款入)
「刺繍」で初の人間国宝に認定された福田喜重さんの作品から、やや明度を落とした深い青鈍色から利休茶、利休白茶への裾暈かしを背景に、竹垣に菊花が描かれた風情豊かな訪問着です。金彩でさらりと描かれた菊花には所々精緻な繍いが施されており、刺繍独特の絹糸の光沢、ふっくらとした立体感が繊細な金砂子や色暈かしと相俟って、深閑とした秋の庭を彩る花の清澄な美しさを気品豊かに表現していますね。緩やかに撚りを掛けられた刺繍糸による繍いはボリュームが僅かに控えられており、ため息が出るような完成度にこの方の本領をご覧頂けることと思います。福田さんの社交着は、モダンにアレンジされた古典意匠による洗練された作品が多いように感じますが、こちらは究極の染繍技術が創る正攻法の古典。友禅とはまた趣きの異なる格調高い華やぎが、柔らかい光で包むように着る人を引き立ててくれることと思います。