黒紅色が近いでしょうか、黒みを感じさせるほどに色を深めた紫の地に、色とりどりの宝尽くし文が散らされた訪問着です。打ち出の小槌、丁子、分銅、金嚢に宝巻、隠れ蓑に隠れ笠、宝鍵、七宝に方勝など独特のかたちの宝ものが、玩具箱をひっくり返したように華やかに広がっていますね。金彩で縁取られた明るい差し色はどれもほんのりと暈かされており、多彩な彩りを用いながらもトーンの揃った色が綺麗に調和しています。心弾む賑々しさはやはり宝尽くしならではの魅力。新年の晴れやかなお席にはとりわけ美しく映えることと思います。ぜひお手に取ってご覧くださいませ。