銀座【着物3516】国指定重要無形文化財 喜如嘉の芭蕉布 着物
銀座【着物3516】国指定重要無形文化財 喜如嘉の芭蕉布 着物
夏が巡ってくる度に一際注目される沖縄の染織品。宮古上布や八重山上布、そして芭蕉布は涼感あふれる夏織物の最高峰として多くの方の憧れを集めていますね。とりわけ沖縄の風土が育てる極上の素材 芭蕉布は、王族から庶民までこの地に住む全てのひとの身を守る大切な衣として守られてきたもの。戦後一旦は生産が途絶えてしまった状況から、良く知られる通り平良敏子さんを中心とする方々の尽力によって見事な復興を遂げた、沖縄の宝ものですね。材料となる糸芭蕉の栽培に三年を費やし、二百本もの木から取り出した繊維を細く裂いては結んで糸をつくり、絣を括り…機にかけるまでにも長い長い時間と手間をかけ、その後乾燥に弱く切れやすい糸を丹念に手機で織り上げることでようやく布のかたちとなる芭蕉布。その技術は国の重要無形文化財に指定されています。今回のご紹介はナチュラルな淡いベージュの地に藍と車輪梅の茶によるヒチサギー柄で、小さく流れる絣足の美しさが印象的な一枚です。細縞に沿って経緯に浮かぶ、シンプルながら力強い絣がこの布の野趣ある美しさをきりりと引き立てていますね。独特のしっかりとした張りによって身体からふわりと離れ、熱を逃がし風を呼んでくれる清々しい布、この夏こそはぜひお手元にお呼びくださいませ。