銀座【着物3515】単衣 薩摩絣 亜麻色 抽象文

銀座【着物3515】単衣 薩摩絣 亜麻色 抽象文

色を薄めた亜麻色が近いでしょうか、黄みを帯びたオフホワイトの地に赤墨色の極細かな亀甲絣や蚊絣で、シンプルモダンなモチーフが飛び柄に配された薩摩絣の単衣着物です。竹細工を思わせるこの意匠が何を表現しているものかはわかりかねますが、柔らかく撓う5本のラインに囲まれたかたちは、すっきりと洗練されたものながらどこかのどかな緩さが感じられ、僅かな乱れもない精緻な絣が並ぶ景色の緊張感を程良く和らげていますね。極細い番手のエジプト木綿糸を用いて手機で丹念に織り上げられる薩摩絣は、木綿織物の最高峰として名高い布。滑りが悪く湿度でも狂いが出やすい木綿糸の難しさを、東郷織物の永江明夫さんが長年の研究の末に乗り越え完成させた織物で、木綿の認識を覆すような滑らかな風合いと気品豊かな表情で私たちを魅了します。きりりとした印象の正藍染の綿薩摩もすばらしいものですが、白薩摩には木綿らしい素朴な温かみがより色濃く表れているように思います。極上の質感と端正な絣に、贅沢に手を掛けられた織物ならではの風格が滲むお品、ぜひこの機会にお手に取ってご覧くださいませ。